番外編 ブラジルのマンガ事情
〜ブラジルで旋風を巻き起こした『聖闘士星矢』〜
いつもの様に、ネットサーフィンしていたら
たまたま、ブラジルのマンガ事情の記事を見つけました!
お?こりは自称・マンガ研究家のツカさん
としては見なければ!・・・っと思ったら、データが消えてた
こらぁぁぁぁ!!!(あぁ・・・短気なぼく)
それでも、キャッシュデータがあっちこっち残ってたので
なんとか全部見ることができました・・・めんどくさ(笑)
記事の内容は日経新聞の記者の深沢正雪さんが
2003年に書かれた特集記事でして
ブラジルの日本文化について詳しく書かれていました。
今回はそれを元に紹介したいと思います!
ブラジルと日本の関係
サッカーでお馴染みブラジルは南米大陸の強国です!
2006年でGDP(国内総生産)が世界で10位に割り込むなど
南米ではナンバーワンの地位を築いています。
ひとつ、ブラジル社会を理解するうえで重要なのは
ブラジル国内に150万人も住んでいる
日系ブラジル人社会の存在のです。
ただ、日系ブラジル人について語ると長くなってしまうので
ここにくわしく解説してあります!興味のあるかたはご覧ください!
ブラジルの日本マンガ
さて、ブラジルでも日本のマンガが人気です。
2003年では、ブラジル国内で月に150万部のマンガが発行され
一番の売れ筋はやはり強い『ドラゴンボール』です。
各巻6万部ほど売れているとの事で、おそらく200万部ほど
売れているのだと推察されます。
また、アニメ版『ドラゴンボール』がテレビで放送された時は
視聴率が10%を記録したそうです。
他の人気のマンガは『新世紀エヴァンゲリオン』を始め
『らんま1/2』『犬夜叉』と高橋留美子作品は海外でも強いですね
さらに『SAMURAI X』(邦題 『るろうに剣心』)
『バカボンド』など、和風なマンガもなかなかの人気です。
ちなみに、90年代初めには『子連れ狼』や『アキラ』が出版された
そうですが、これは大失敗に終わったそうな。。。
『SAMURAI X』(るろうに剣心)
ブラジルではロングセラーに。
『聖闘士星矢』旋風!
ブラジルとはポルトガル人が移民してできた国家であり
ヨーロッパ系の文化が強い地域です。
現に60年代〜90年代までスーパーマンやスパイダーマンなどの
アメリカン・コミックスが全盛を誇っていました。
ブラジルでは日本アニメが80年代ぐらいから『8マン』などポツポツと
放送はされていたようですが、大きな転機が訪れたのは94年の
『Cavaleiros do Zodiaco』(邦題 『聖闘士星矢』)が放送された時でした。
放送開始と同時にこれがブラジルの子供達の間で大人気となり
視聴率は14%をマークし、関連人形商品は公式発表だけで
100万体も売れたそうです!
これがきっかけに『ドラゴンボール』などの人気の
日本アニメ・マンガの進出が相次ぐようになります。
『Cavaleiros do Zodiaco』旋風から一気に日本マンガ・アニメの
人気が高まり、アメコミの牙城を突き崩す事となったのです。
『Cavaleiros do Zodiaco』(邦題 聖闘士星矢)
ブラジルでの日本アニメ・マンガの地位を確立した!
日本文化浸透の背景
日本マンガ・アニメがここまで浸透した背景には
ブラジルに住む日系ブラジル人社会の存在があります。
現に、ブラジルのアニメファンの2割は日系人だそうです!
そして、ブラジル国内でマンガ市場を5割を握るJBC出版社!
JBC出版社は創業者が日系移民とのことで
日本の出版社から大きな信頼を受け
多くの人気マンガの版権を確保し急成長しました!
JBC社は99年にアニメ・マンガの情報誌『HENSHIN』(変身)
を発行したところ好評だったため
その後『SAMURAI X』(邦題 るろうに剣心)を出版し
ロングセラーを記録することになります。
日系人社会はより日本文化をブラジル人に
浸透させる大きな役割を果たしていたのです。
『HENSHIN』(変身) 2002/8/10
JBCが発行するアニメ・マンガ情報誌
アメコミの危機感!
日本アニメの台頭と共に、危機感を募(つの)らせているのが
売上が急速落ちるアメリカン・コミックスです!
※以後 アメコミと略します。
アメコミは1950年代のアメリカで、有害図書と指定され
その暴力的な表現や、自由性が大幅に規制がされました。
その結果、ストーリーは『善と悪の対立』などのワンパターンとなり
アメコミの独自性や実験的な作品は生まれなくなりました。
新鮮さが失われたことが、現在の衰退に繋がっているのです。
アメリカを始めとするキリスト圏のテレビなどの規制は
日本に比べて非常に厳しい面があります。
日本では『欧米を見習うべき!』との
良識的な意見がけっこうあったりするんですが
安易な規制は日本マンガ・アニメの衰退に繋がりかねない!
・・・とツカさんは思っちゃったりします(笑)
インターネットで広まる日本アニメ
ブラジルでは2000年頃から高速のブロードバンドの普及もあって
インターネットから日本アニメを見るケースが増えているとのことです。
ただ、そのほとんどは海賊版とのことで
日本の最新アニメが放送から1週間後には配信され
2週間後にはポルトガル語の字幕付きが流れるという始末です。
海賊版が日本アニメ・マンガ文化の普及に大きな役割を
果たしていることは間違いありませんが
日本の出版社・製作者側には1円も入らないと言う弊害もあります。
今後、日本の出版社などが本格的にブラジルに進出するには
これらの海賊版が大きな課題になると思われます。
以上!見てきたように
日本アニメ・マンガ文化の種は
ブラジルでも大きく開花しようとしています。
日本マンガ・アニメを通じて、マンガなどに登場する
「ラーメンを食べてみたい!」「日本語を学びたい!」
などのブラジルでの日本ファンが増えているそうです!
また最近ではブラジル人のマンガ家も登場しているそうで
今後はブラジル人マンガ家の活躍が増えるかもしれません!
そして、もうひとつ!
ブラジルで日本アニメ・特撮作品を広めた日系ブラジル人と言われる
トシコ・エガシラさんという方がおられるそうです!
その方について、凄い興味があったので
頑張って情報を探したんですが、まったく情報が無し・・・
男性か女性かもわかりません!(トシコなのでたぶん女性)
誰かトシコちゃんの情報を知っていたら教えてください!
まぁ、情報を呼びかけたところで、来たためしがないんですけどね(笑)
〜おわり〜
ブラジル版『Dragon Ball』
ブラジルでも一番の売れ筋マンガ
2006年12月24日制作
今回は下記のHPを参考に書かせて頂きました。 ありがとうございました! コロニア ニッケイ社会ニュース 『越境する日本文化 アニメ・マンガ』 深沢正雪 2003年1月21日〜1月31日 http://www.nikkeyshimbun.com.br/030121-62colonia.html ※現在はデータが消えています。 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 http://ja.wikipedia.org/wiki |