第18回 第2部 『日本語とマンガ』
第2部に入り3回目になります。
今回は日本語とマンガの共通点についてちょっと触れたいと思います。
あと、今回紹介するテーマについての注意点なのですが
学説に基づいてるわけではなく、ツカさんの妄想が多々含まれます。
マンガと日本語の文法的共通点
日本語とマンガの関係性については共通点については
呉智英さんも「現代マンガの全体像」の中で、日本語とマンガの
文法的な共通点を指摘されております!
詳しい日本語の文法の説明に関しては、ツカさんの頭の中が
ハッチャラピ〜なので、ハショらせて頂きます(笑)
マンガとは記号である
そもそもマンガの絵って何なんでしょうか?
当たり前過ぎて疑問に思うかたは少ないはずです。
呉智英さんはマンガについて
「人間の思考を記録する記号体系である。」
と定義しておられます。
意味がわからないと思う方が多いと思いますので簡単に説明します。
まず、下記の図を見て、日本語で説明してみてください。
のび太「しずちゃ〜ん。」 トントン
説明の例
しずかちゃんの家の玄関の前で、デレデレしたのび太が玄関のドアをうれしそうに2回ノックしつつ「しずちゃ〜ん」と気持ち悪い声で呼んでいる図。ちなみに、ドラえもんはアニメ版では「しずかちゃん」ですけど、マンガ版では「しずちゃん」って呼ばれているって知ってました?(笑) |
なんとこれだけの情報量をマンガではたった
「しずちゃ〜ん トントン」で表現できてしまうのです!
マンガのキャラクターとは目・鼻・顔など人間らしい形を
極力簡略化し、人間の様に見せています。
つまりマンガとは記号の集合体に近いと考えられるのです。
象形文字とマンガ
あのマンガの神様と呼ばれる手塚治虫さんも
「マンガは絵でなく象形文字のような記号だ」
と考えたと言われます。
象形文字(しょうけいもじ)ってなんぞや?って方に簡単に説明しますね。
象形文字とは、絵などの形から元になって作られた文字
「漢字」などをあらわします。
例えば竜って漢字はどうやって生まれたんでしょう?
これはドラゴンボールの神龍(シェンロン)ですね♪
この絵を簡略化すると下記のようになります。
→ | → | 龍 | → | 竜 |
印鑑のはんこショップ 秀山堂さんのHPより無断引用
秀山堂さん・・・ここで宣伝するので許してください(^^;
絵の簡略化こそが漢字が生まれたきっかけだった訳です。
漢字は元々中国から生まれたわけですが
5世紀の日本が聖徳太子の時代に漢字を取り入れ定着させました。
一方、「英語」や「ひらなが」などは表音文字(ひょうおんもじ)と呼ばれまして
声を出す音を文字化したもので、その文字自体には意味はありません。
故に漢字は形からイメージができるため、子供は覚えやすいそうです。
また、漢字と英語を読む場合、脳が働く場所が違うという研究データもあります。
表音文字と象形文字はどっちが優れてると言うわけではありませんが
両方の文字は性質が全く違うわけです。
そして、日本語は「ひらがな」「カタカナ」の表音文字と
「漢字」の象形文字が同居するきわめて珍しい文化なんですね☆
擬態語の多い日本語
そして、日本語の大きな特徴として擬態語のバリエーションの多さが上げられます。
擬態語(ぎたいご)とは「にこにこ」とか「イライラ」など
音声に現れない様子を言葉で表した言葉です。
欧米にくらべてこの日本語は擬態語が非常に多いそうです。
実は、この擬態語こそ、マンガにとって凄い重要なんですね!
下の図の「ギロ」なんてまさに擬態語です!
余談ですが、よく沈黙をあらわす「し〜ん」って擬態語は
手塚治虫さんのマンガで初めて使われ広まったと言われています!
日本語の発展がマンガ?
さあ、もう一度「しずちゃ〜ん。トントン」を見ていただきましょう。
改めてみると、この表現は凄いですね・・・
まず、のび太と言う象形文字の記号があって
「しずちゃ〜ん。」と言う「ひらがな」の表音文字もあります。
そしてドアをたたく「擬態語」じゃないんですけど、「擬音語」が使われてます。
わたくし、ツカさんが思うに
文字を持たなかった日本は5世紀に中国から象形文字の漢字を取り入れ
6〜7世紀に表音文字の平仮名(ひらがな)が成立。
漢字、平仮名、カタカナを使った日本語の成立。
そして20世紀!マンガ表現の成立!
と、どうしても日本語とマンガの歴史的な関連性を
想像してしまうのですが深読みでしょうか?
しかし、今回の「マンガは日本語の進化説」は
呉智英さんの著書に刺激を受け
中学時代 文法の答案が20点だったツカさんが考えた妄想です。
どの学説にも基づいていないことを御了承ください。
さて、次回は現代マンガの成立までに到る
直接的な系譜について迫りたいと思います!
勝手ながら下記のHP・文献を参考に書かせて頂きました。 ありがとうございました! 「現代マンガの全体像」 双葉文庫 著・呉智英 http://www.starleaf.net/~airami/index.html フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 http://ja.wikipedia.org/wiki 印鑑のはんこショップ 秀山堂さんのHP http://www.ens.ne.jp/~a-in/index.html |