第3回  フィリピン 「ボルテスV」騒動















ボルテスV(ボルテスファイブ)
をご存知でしょうか?


これは日本では1977年〜1978年の一年間にわたり放送されました。




アニメの簡単な内容は5人の主人公たちが、巨大ロボットを操縦し、


地球侵略を企むボアザン星人から地球を守るといったストーリーです。




ボルテスVはフィリピンでも放送され、日本以上の大反響を呼ぶことになりました。







ボルテスV旋風




フィリピンで放送が始まったのは当時、
マルコス独裁政権下の1978年。



放送が始まると、フィリピンの子供たちの間で
大反響を呼びます。




学校が終わると子供たちは大急ぎで家に帰宅し

夢中にTVに釘付けになったそうです。




視聴率はなんと
最高58%を記録。




日本語の主題歌も大ブームとなり、町には
ボルテスVの関連商品があふれました。


まさに、ボルテスVはフィリピンで空前の
大ヒットとなったのです。








日本文化侵略論




ボルテスVの成功により、日本製アニメは次々と進出しすることになります。



ところが、人気が高まる一方で、
批判の声が顕著に高くなっていきました。





最初の批判は




「ボルテスVの内容は暴力的である!」


「夢中になりすぎて、子供の勉強の意欲を削ぐ!」




と言った
、子供たちの
から上がりました。



この批判は人気のありすぎることの
宿命とも言えます。





しかし、こうした批判のなか



「ボルテスVは日本が侵略のための宣伝工作」



といった

「ボルテスV 日本陰謀論」

まで広まって行くことになります。







ボルテスV放送中止に




こうした中、ついに反日家であった

トーレス弁護士が立ち上がります。




トーレス弁護士はまず、抗議団体を結成し


「ボルテスV」の批判の声を広める事に成功します。




その要求は


「ボルテスVは日本軍国主義の復活の象徴であり、まず子供たち

   を洗脳してから、やがて日本の軍隊がフィリピンに上陸し始める!」




といった説を
根拠に、政府に対し放送の禁止の要求を行いました。




この煽りを受け、79年8月、当時のマルコス政権は


ボルテスVの放送禁止を決定するに至ります。






何故放送禁止になったのか?





日本企業の影響力が高まるのを恐れたなどの様々な意見がありますが、



当時、10年以上も
戒厳令を引き、暴力で不満を抑えていたマルコス政権が



正義の力によって悪を打ち砕くというストーリーが
反体制運動



なることを恐れたのでは無いのかと考えられています。




いま話題の独裁者がいる
某国家と似た様なものですね。







元・大統領 マルコスさん 
        マルコス政権(1965〜1986)

大統領当選後、まもなく議会を停止、戒厳令を引き、革命が起こるまで21年間の独裁体制を築き上げた。特権階級ばかり優遇し、経済の停滞より国民は生活が窮地なった。結果、革命で政権を追われた事から、国際的な評価は極めて低い。













ボルテスV 復活





1986年2月、フィリピンでは革命がおこります。


そして、自由・民主主義を掲げる
アキノ政権が誕生。




マルコス政権による21年間にもおよぶ独裁体制は崩壊します。




それから間もなく、国営放送にて
ボルテスV7年ぶりに復活しました。


しかし、7年前ほどの
反響はなく、人気を集めることはありませんでした・・・




いずれにせよ、
ボルテスVは日本のアニメが

フィリピンの政治を巻き込んだ大きな
事件だったのです!








ボルテスV旋風 再び!





1999年 フィリピンではボルテスVの再放送が始まりました。



それが再び反響を起こし、最高視聴率は
40%を記録!


主題歌も
大ヒットを記録しました。




余談になりますが、ボルテスVの主題を歌っていた堀江美都子さんが


フィリピンでライブを行った際、
国賓なみの待遇を受けたとのことです。



ボルテスVはフィリピンの国民的なアニメになったのです。




 

フィリピンで大反響を生んだボルテスV








2006年10月1日 制作
2007年1月24日 修正



勝手ながら下記のHPを参考に書かせて頂きました。

ありがとうございました!


はいねるつうしん

http://www.nx.sakura.ne.jp/~haituu/index.htm
   

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

http://ja.wikipedia.org/wiki






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