第7回  シンガポール 「ハローキティ騒動」















アジアではいち早く外資の取り入れを進め

経済発展を遂げたシンガポール!



人口は400万人と多くはないのですが


シンガポールでも日本のアニメ・マンガの人気は健在です!







第3国経由で広まる日本文化




シンガポールに日本文化が入ってきたのは
80年代



主に
海賊版マンガが台湾や上海を経由して出回っていたそうです。



また、日本のアニメも進出し
「時空要塞マクロス」が放送されたときには



シンガポールの
SFブームのきっかけになったとも言われています。




そして、90年代には空前の日本ブームが到来します。


スシ屋などの日本食ブームやアニメマンガが大流行となり


日本文化は
黄金時代を迎える事となりました。




しかし、マンガの市場は台湾、韓国などの市場と比べて大変小さく


「スラムダンク」ですら7,000部がせいぜいと言われています。




原因として、マンガは文字の読める
富裕層のみに限られるとのこと。





当たり前で気づきませんでしたが、マンガは
文字が読めると言う最低限

知識があって初めて楽しめる書物なのですね。




特に第3国では自分の名前もかけない人々は多いと聞きます。





余談になりますが、
ヨーロッパで読み書きができない勉強嫌いの子供


マンガの
「ドラゴンボール」を読みたいために



一生懸命、文字を覚えるようになったそうです。





マンガは世界の識字率向上に少なからず


貢献してるのかもしれませんね〜。







日本の猫キャラクター登場



さて、シンガポールに大きな騒動を呼び起こした日本のキャラクターがいます。



それは日本の
サンリオ会社『ハローキティ』です




ハローキティ
がシンガポールに登場したのは80年代でした。






90年代に入ると、シンガポールでは空前の日本ブームに沸きます。


そうした中、シンガポールの
芸能人の間で『ハローキティ』が流行になり


やがて、シンガポール全土に
飛び火することになりました。





その『ハローキティ』人気に目をつけた会社がありました。


それは、日本でもお馴染みの
マクドナルド社です!





マクドナルド
ハローキティを商品の販売キャラクターとして採用し


マクドナルドの制服を着たハローキティが商品を販売するなどのPRも展開。




しかし、これが思いもよらない
波紋を広げることになります。







74年に生まれのハローキティ
世界でも60ヶ国で展開され根強い人気を誇る








『ハローキティ騒動』



2000年の早々、その出来事が起こります




マクドナルド
ではハンバーガーのセットにおまけとして


ハローキティぬいぐるみの商品を発売しました。


その結果、各店舗では
長蛇の列が出来、わずか二日間で完売!





一人でハンバーガーのセットを
150個も頼んだことがあったとか・・・





そして、3週目には
ぬいぐるみを求めたお客が殺到!


喧嘩沙汰
や店舗が一部破壊され逮捕者まで出る騒ぎに発展します。



当時のハローキティぬいぐるみは転売され

ありえねー
プレミアム価格で出回っていたそうです!






そして4週目にはその行列は10万人まで増加。


買えなかった客が暴れる事件が
多発します。






5週目に入ると
『日本式の結婚衣装ペア』が発売されます。


行列はなんと30万人まで膨れ上がります。





およそシンガポール国民の10人に1人は並んだ計算になります。


ここまで膨れ上がるともはや
パニック状態、警察でも手が終えなくなり






ついに治安部隊が出動しました






シンガポールの治安部隊が出動したのは70年代の民族紛争以来


まさに、異例中の異例と言える出来事でした。





その後、
マクドナルドは販売予定であったキティの商品を全て断念

新聞に
謝罪広告をだしてようやく自体が落ち着きます。







マクドナルドで発売された『ハローキティ』のぬいぐるみ
たぶんシンガポールで販売されたものと同じと思われる









その後、当時のシンガポールの副首相が


「のめり込むのは構わないが、われを忘れてはいけない」


とコメント出したとか。








この騒動の余波はその後、
マクドナルドの販売手法への批判になり


そして、
マスコミ過剰報道の批判に繋がっていったそうです。




改めて、
『ハローキティ』の偉大さを見せつけられた出来事でした。





2006年 10月4日 制作
2007年  2月3日 修正




今回は下記のHPを参考に書かせて頂きました。

ありがとうございました!


NNA 「哈日族 〜シンガポールにおける日本大衆文化の比較論〜」

呉偉明

NNA http://nna.asia.ne.jp.edgesuite.net/




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