第8回 ドイツ「マンガブーム」
さてアジアを超え、ついにヨーロッパまでやってきました!
ヨーロッパでも日本文化の人気は健在です!
特に、90年代から急速に日本アニメ・マンガの
人気が高まったのはドイツです。
ドイツの日本文化事情について紹介したいと思います。
「AKIRA」から始まったマンガブーム
ドイツでは昔から『アルプスの少女ハイジ』
などが放送されていたそうです。
マンガブームになった大きなきっけは、89年に日本で公開し
91年に世界に公開され大ヒットした日本アニメ
『AKIRA(アキラ)』からでした。
大友克洋監督の『AKIRA』は特に欧米では衝撃が強かったようです。
あの、『E.T.』や『宇宙戦争』で有名なスピルバーグ監督も
AKIRAファンであることは有名な話です。
欧米では、アニメと言えばディズニーのミッキーマウスなどの
子供のものと言う発想が当たり前でした。
ところが『AKIRA』はそう概念から全く違った、まさに
「大人のアニメ」だったのです。
これ以後ジャパンアニメーション
のジャンルが世界的に認識される様になります。
ドイツでは、コミック出版社カールセン社より
『AKIRA』が日本マンガとして初めて出版されました。
日本では全6巻が右読み、モノクロで一冊
1000円ほどで発売されましたが
ドイツではモノクロでは売れないという理由から
ヨーロッパ式の
左読み、オールカラー
で発売されました。
値段も日本の2倍ほどしたらしいですが
これがドイツにおいての日本マンガとしては
空前のヒットを記録します!
ドイツ版『AKIRA(アキラ)』3巻 カールセン社
ジャパンアニメーションのジャンルが確立する!
『ドラゴンボール』の登場
ドイツでの『AKIRA』のアニメ・マンガの大成功から数年・・・
96年、満を持して登場したのが
『ドラゴンボール』でした。
コミックと言えば『スーパーマン』か『ミッキーマウス』
などしかなかった時代
左読み薄っぺらいオールカラーで値段も日本円で
1000〜1500円もしたそうです。
しかし『ドラゴンボール』は日本式の右読みモノクロで
値段がおよそ600円まで下げることに成功します!
「ドラゴンボール」はドイツで大ヒットを記録し
累計600万部の大ヒットとなりました!
その後も「セーラームーン」が200万部と大当たり!
ドイツでは日本マンガブームに火がつくことになります。
そして2001年・・・
『AKIRA』『ドラゴンボール』を出版したドイツの
出版社カールセン社により
ドイツでは初めての月刊マンガ雑誌「BANZAI!」を発行
毎月10万部ほど発行していたそうです。
そして少女マンガ月刊誌「DAISUKI」は
月3万部が発行されています。
ドイツの日本マンガ市場は一気に
25億円の市場まで発展しました。
その後も『ポケモン』や『遊戯王』などの人気アニメが続々と
ドイツに上陸を果たします。
日本マンガ・アニメはドイツで
独自の地位を確立したのでした!
ドイツ版『ドラゴンボール』12巻
ドイツで大ヒットを記録する!
「BANZAI」その後・・・
「Banzai !」の成功は日本マンガの浸透に大きく貢献し
その後の海外版「少年ジャンプ」発刊への
道筋へ繋がって行きます。
そして、2000年のカールセン社のマンガの売上は
従来あった、「ディズニー」や「スーパーマン」などの
アメリカンコミックスの売上を追い越し
その後も、躍進が続いているそうです。
しかぁぁぁぁしぃ!
「Banzai !」は2005年で廃刊になった様です。
商業的理由なのか、版権的な理由であるかは
情報がないの詳細は不明です。
誰かドイツ事情に詳しい方がいたら情報くださいな〜(^^;
↑っと情報を呼びかけたところ
掲示板でyuiさんから情報を頂きました♪
ありがとうございます!
ビズメディア堀淵さんの著書
『萌えるアメリカ』にて
一部、休刊に至る記述があったそうです。
もともと集英社の子会社
翻訳出版のビズメディアという会社から
カールセン社に版権を委託し『BANZAI!』を
発行していた様ですが
なんと『BANZAI!』の編集者とカールセン本社との
間に方針の対立が勃発!
よりによって、ビズメディアの競合先である
東京ポップに移籍してしまいます。
ビズメディアさんはその編集長を信用していたため
作品の版権はそのまま引き継がれ
競合先の東京ポップで
ジャンプ作品が出版されるという
ありえない事態になってしまったとのことです。
このゴタゴタの結果、『BANZAI!』の発行が
事実上休刊に追い込まれてしまったことが
理由だったんですね・・・
非常に残念な限りでありますが
『Banzai!!』(2001〜2005年)
ヨーロッパ初の月刊マンガ しかし2005年に休刊状態・・・
2006年10月11日 制作
2007年2月3日 修正
2008年1月14日 修正・加筆
今回は下記のHPを参考に書かせて頂きました。 ありがとうございました! フランクフルト便り (閉鎖) http://www.okada.de/ yuiさんからの情報提供 |