第9回 フランス(前編) 「ゴールドラック現る!」
フランスはシラク大統領が親日家であることが有名です。
フランスでは19世紀以来の「バンド・デシネ」
と呼ばれる独自のコミック文化を持ち
20世紀初頭では世界一の映画大国として
世界の文化を牽引していた時代もありました。
しかし、1914年の第一次世界大戦により
ドイツとの主戦場となったフランスでは映画産業は凋落
国内の映画監督の海外流出を招くことになってしまうのです。
映画産業を国でバックアップ
戦後、徐々に復活したフランス映画でしたが以前の輝きは過去の話でした。
80年代に入るとハリウッド映画などの台頭により
自国文化の保護政策を開始
現在フランスでは、海外番組・映画の放送規制や
映画産業支援など様々な取り決めがあります。
有名なフランス映画はリュック・ベンソン監督の「二キータ」(1990)
を知ってる人も多いと思います。
リュック・ベンソン監督と言えば仏・米合作でジャン・レノ主演の
「レオン」も有名ですよね!
フランス映画の国を挙げての支援により独自の
地位を保ってきたのです!
ちょい悪オヤジのヒーロー レオン (1994)
ヨーロッパ最大の日本マンガ市場
さて、本題に入りたいと思います!
フランスは意外に知られていないんですが
ヨーロッパでは最も日本マンガが売れている国なのです!
フランスの日本マンガ市場は2002年で360億円!
「ドラゴンボール」は1400万部のセールを誇ります。
フランスで北野武監督(ビートたけし)の「座頭市」が公開された時も
熱心なキタノファンがいました。
またジブリ作品の「千と千尋の神隠し」も大ヒットし、その人気の反響から
後日、「天空の城ラピュタ」も公開され大ヒットしました。
フランス人は比較的、面白いものはすぐ取り入れる性格みたいですね。
そういえば3年ぐらい前、フランスで日本の
エロマンガが大人気となって
フランス政府が輸入・販売を禁止する事態もありました(笑)
日本アニメ「ゴールドラック」現る!
さて、ヨーロッパで最も日本のファンが多い国、フランスでありますが、
フランス国内で一番最初に旋風を起こしたアニメがあります。
それは1978年 フランスの国営テレビ「チャンネル2」で放送が始った
日本アニメの「ゴールドラック」でした!
「ゴールドラック?なんじゃそらぁ?」
と言う声も聞かれます。
それもそのはず、日本では
「UFOロボ グレンダイザー」
のことなのです!
「グレンダイザー」は永井豪さんの代表作
「マジンガーZ」「グレートマジンガー」に続く3部作の1つです!
世界制服を企む悪党から主人公が巨大ロボットに
乗って戦うというよくあるストーリーでしたが
当時は77年に『スターウォーズ』のSF映画が公開され
世界中でSFブームが巻き起こっていました。
当時のフランスとしては『ゴールドラック』は
斬新でナウいストーリーだったのです!
当然、フランスの子供たちの間で人気が爆発!
放送が始ってわずか3ヶ月で視聴率100%を記録!
その後も、平均視聴率が60〜70%と驚異的な数字をたたき出します。
「ゴールドラック」は夕方の放送の時間帯に放送されそうで
そのあまりの人気から
「夕方になると外で遊ぶ子供達が消える」
と言う言葉が当時流行ったとか
視聴率100%の男!
ゴールドラックことグレンダイザーさん
「ゴールドラック」の大成功により
その後は日本アニメの怒涛の進出が始ります!
こうして日本アニメはフランスで大人気となったとさ
めでたし めでたし・・・・
いやいや、世の中そう上手くはいきません!
日本アニメの急激な進出はフランスでは大きな
波紋を呼び起こすことになります。
人気が強いほど、その反動も凄い・・・どこの国も一緒です。
後編では90年代に巻き起こった日本アニメバッシングと
フランスアニメの誕生について触れたいと思います。
2006年10月13日制作
2006年2月6日修正
勝手ながら下記のHPを参考に書かせて頂きました。 ありがとうございました! 別冊宝島117 「変なニッポン ガイジンが好きな、 Newsweek 「オタクビジネス、世界へ発進」 |