〜ピックアップ〜
2006年12月8日
「代々木アニメーション学院」の倒産で見えた
日本のアニメ育成産業の現状
「代々木アニメーション学院」
民事再生法適用を申請 負債総額約22億円
2006年12月7日 全国で上記のニュースが流れました。
「代々木アニメーション」と言えば、日本で最大の
アニーメーターやマンガ家、声優を養成する専門学校です。
ちなみに学院長には「笑点」でお馴染みの
三遊亭楽太郎師匠が就任しています!
まあ、取締役などの経営には携わっていないようなので
おそらく広告塔的な存在だったのだと思われます。
そう言えば「代々木アニメーション学院」で講義した
※以後「代アニ」と略します。
事のある大学の先輩が、「代アニ」の経営手法には批判的でした。
「代アニ」は日本で先駆けてアニメのクリエーターやマンガ家養成の
専門学校として立ち上がり、アニメ・声優ブームになった時は
売上を大きく伸ばしましたが
その後、他の大学や競合先がアニメ・マンガ学科などの設立が増えると
売上・生徒数が激減し、入学金を巡るトラブルも相次いだと聞きます。
三遊亭楽太郎師匠も今年の2006年4月に学院長になったばかりだそうですが
わずか8ヶ月で会社が倒産とは貧乏くじを引きましたね・・・
そう言えば、前にテレビで三遊亭楽太郎師匠が細木数子さんに鑑定されたとき
「学院長など、最近色々な肩書きがあります。」
みたいな事を発言したら
「あんた、落語以外のことはやってたらダメでしょ!」
って、細木さんに凄く注意されていたことを思い出しました。
楽太郎師匠 「代々木アニメーション学院」のHPより
笑点ではお馴染み。学院長就任8ヶ月で倒産とは・・・
話が横道にそれたので戻します!
なぜ「代アニ」が潰れてしまったのか?
その一番の原因はスターを育てられなかった事です。
私は声優とかあまり詳しくないのですが、「代アニ」出身の有名な声優とは
残念ながら余り聞いたことがありません。
他の人も同じような物ではないでしょうか?
ただ、企業なわけですから利益が重視されるのは当然です。
利益がでなければアニメもへったくりもありません。
しかし、「アニメ・マンガ」って看板を掲げていれば生徒が
集まる!儲かる!
と考えてたとしたら、失敗は必然だと思います。
「代アニ」は生徒を集めることに専念し過ぎたのではないでしょうか?
アニメ・声優とは縁もゆかりもない
三遊亭楽太郎師匠を学院長に招てる次点で
「代アニ」自身の迷走ぶりがよくわかります。
現在、日本の大学では、生徒集めの一環として
「マンガ学部」「アニメ学部」などが多く設立していると聞きます。
私が思うに、10年後に残っている学部は半分以下ではないでしょうか?
やはりスターを作るつもりで無ければこの業界の成功はないと思います。
アニメ・マンガビジネスは、あの手塚治虫さんが「虫プロダクション」を経営し
倒産をして大変な思いをしたほど、難しいビジネスなのです。
日本大手のアニーター・マンガ家養成学校の実態が明るみになりましたが
おそらく日本中の養成学校・学科は似たようなものではないでしょうか?
最近、日本の政府がアニメ産業の支援などの動きがありますが
是非、「代アニ」の教訓を生かして欲しいと思います。
ただ、政府が関わると官僚天下り先として税金が使われるなど
無駄使いにならないことを祈るばかりです。
Yahoo!ニュース 代々木アニメーション学院:民事再生法適用を申請 負債総額約22億円 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061207-00000005-maia-ent |