第12回  アメリカ(その2) 「日本マンガの挑戦」
















ポケモンブーム
により、日本アニメの底力を見せた日本



次に狙うは、日本色の強いマンガ文化の浸透です。



これは前回の続きとなりますので、


まだ読んでおられない方はこちらからお読みください。






80年代の日本マンガのアメリカ市場挑戦




ポケモンブーム
以前から、日本のアニメは


アメリカでは独自の人気を獲得していました。



最初に日本のアニメが60年代の存在感を示したのは



手塚治先生
「鉄腕アトム」です。




そして、80年代には日本アニメは比較的成功を収めていました。




この頃、
「アニメの次は漫画だ!」といわんばかりに




小学館系列の
小学館ビズという会社が当時の日本の人気
マンガ



『北斗の拳』『うる星やつら』の2大看板で


アメリカ市場の投入を試みます。





およそ
20万部ほど刷った言われ


まさに
社運をかけた大勝負だったのです!










結果は・・・


それぞれ
5000部ほどしか売れず見事な大惨敗!






「欧米はアニメはいけるがマンガは受けない」

と言うのが定説になってしまいました。





アメリカでは日本マンガは一部のコアなファンが楽しむだけの


マニア本になってしまったのです。







「アタタタタ!アター!」のケンシロウさん
北斗真拳 アメリカ大陸で散る・・・












ジャパンアニメーションの台頭




アメリカにおける日本マンガは細々と続く中




92年の大友克洋監督
「AKIRA(アキラ)」の世界的なヒット



96年の
押井守監督「攻殻機動隊」がセルビデオ部門で1位を獲得し、

売上も
100万以上のセールを達成。




そして、98年の
ポケモンブームなど日本アニメ市場が急成長し



2002年のアメリカにおける日本アニメ市場は
500億円


そして日本マンガ市場は
50億円と3年で3倍にまで成長。





日本アニメの人気が高まると共に


その原作の
マンガも徐々に注目されるようになります。



そして、日本マンガの
再挑戦がはじまるのです。







『少年ジャンプ』の挑戦





2002年11月 日本最大の少年誌「少年ジャンプ」集英社



アメリカ版「SHOUNEN JUMP」を創刊!




『3年後には100万部を目指す』



との言う目標の元に




掲載作品は
「ドラゴンボール」「幽☆遊☆白書」「遊戯王」「ナルト」「ワンピース」など


日本における
人気作品をライナップし


アメリカ初の月刊マンガ雑誌としてスタートしました。




当時、
「遊戯王」はアメリカではアニメで先行で放送され


遊戯王カードは大人気でした。






そして、
「ドラゴンボール」も既にアニメで人気を確立しており


ゲームも
ミリオンセラーを記録するほどです。




その結果、
『SHONEN JUMP』25万部でスタートし完売。


なかなか
良い出だしでした。


その後、
38万部まで増刷をしたそうです。





内容もアメリカでは左読みが一般的なのに対し日本式の
右読み



効果音など全てを
英語に直し、違和感無くしあがっています。







『SHONEN JUMP』創刊号
ドラゴンボールが表紙を飾った。











『RAIJIN COMICS』の挑戦





『SHONEN JUMP』の発行から約1ヶ月前の2002年10月


一足先にアメリカに進出した
マンガ誌がありました。



それは、
『RAIJIN COMICS(ライジン コミックス)』です。






黄金時代の少年ジャンプの編集長であった


堀江信彦さんが立ち上げたベンチャー会社


株式会社コアミックスから発刊されました。




ちなみに
コアミックスからは、日本では
『コミックバンチ』が発刊されています。





掲載作品は
「スラムダンク」「蒼天の拳」「シティーハンター」「グラップラー刃牙」「守って守護月天」



など、なかなかアメリカではマニアックだと思われる

マンガがラインナップされています・・・





スタイルも
週刊とう言う日本のスタイルをそのまま導入し



「2、3年で5〜6万部で定着を目指す」


と、やや
控えめな目標を語っておられました。





内容も
「バコーン!」とか「ガビーン!」などの効果音が


全て英語に変えてある
『SHOUNEN JUMP』に対し




『RAIJIN COMICS』ではそのまま、日本語で掲載されていたりします。




別のベージで日本語の効果音の
解説とかあるそうです


そんな
めんどくさいマンガがアメリカ人に受けるのか・・・?






また、日本でも英語教材用として
『RAIJIN COMICS』の販売も展開されます。





海外と日本展開も含めて当時の
堀江さんは


「2〜3年後には利益のでるビジネスになる」

と語っておられました。








『RAIJIN COMICS』創刊号
アメリカでの週刊マンガ定着を目指したが・・・










『SHONEN JUMP』と『RAIJIN COMICS』その後・・・




さて、その後の両誌ですが、2006年現在わかっている範囲で報告させて頂きます。





まず鳴り物入りで登場した
『SHONEN JUMP』でしたが




その後も、
『シャーマンキング』『ひかるの碁』など日本マンガの


掲載が
順調に増えています。




「3年後には100万部を目指す!」


と意気込みましたが




発行部数は
38万部で頭打ちの状態。





「流通システムが日本と異なるため、正確なデータがなかなかでない」


とのことなのですが、実際のことは不明です。







次に『RAIJIN COMICS』なのですが、発売からしばらくして





「早く店に並べれば良いもんだ!」



と言わんばかりに翌週号のものがすぐに並んでいたりと




週刊誌の習慣がないアメリカの流通先でのトラブルが続出!


その結果、
月刊誌として再スタートすることになりました。






一方、日本向けに発売していた英語教材用
『RAIJIN COMICS』




販売不振のため03年9月をもって
休刊が決定。




海外版は発行され続けていると言われていますが海外のHPを見ても




はっきり言って発刊が続いているように思えない・・・






http://www.raijincomics.com/   ←『RAIJIN COMICS』海外公式サイト・・・らしい
http://www.shonenjump.com/


 ←こちらは『Shonen Jump』の公式サイト。参考に。











何故か?と思い原因を探ったら


どうやら2004年に
『RAIJIN COMICS』休刊になって

いたことが判明しました!






どうも、マスコミとかって
成功進出は大々的に宣伝しますが

失敗した情報ってのは誰も流さないんですよね・・・


まぁ、率先して失敗談を語る人は
少ないですが(笑)






まだまだ、マンガの分野ではアメリカでは
厳しい

と考えるの妥当と思われます。





ただ、つい最近までアメリカで存在しなかったマンガ雑誌

ここまで来たのは快挙言えるでしょう




今後も頑張って欲しいと思います!





さて、次はアメリカ文化の

考察を行いたいと思います!






2006年 10月22日 制作
2007年  2月2日 修正


勝手ながら下記のHPを参考に書かせて頂きました。

ありがとうございました!


NIKKEI NET ウイークエンド版

「世界をかける「MANGA」 若者の支持集め大衆文化の一翼に」

http://www.nikkei.co.jp/weekend/news/sp20031004.html#top


Newsweek 2003 6・18号 

「オタクビジネス、世界へ発信」






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