第6回 韓国 「新興サブカルチャー大国」 後編
急速に力をつける韓国のサブカルチャー文化!
今回は前回の前編からの続きです。
韓流ブームへの軌道
さて、日本でも韓国ドラマなどが放送されるのが珍しくない時代になりましたが
これは決して突然現れた結果ではないのです。
私が韓国のポップカルチャーについて、調べ始めた時は3年ほど前の
日本に韓流ブームになる以前だったのですが、
実は韓国は日本で韓国ブームの起きる2、3年前から
国家を挙げて自国のドラマを海外進出に力を入れていたのです。
すでに、東南アジアでは韓国ドラマなどの人気が高まっていました。
次の市場として、中国、そして日本がターゲットとなり
韓国政府は自国ドラマの輸出強化を決定します!
結果、初めの一年目は見事赤字でした。
よくアンチ韓国の掲示板ではバカにされたものでしたが
しかし、2年目は中国市場を中心になんとか黒字化を達成します。
そして、3年目についに、日本で「冬ソナ」が大ブレイク!
その反響は観光事業にも波及し
官民上げたプロジェクトは見事に成功を収めたのです。
私は見ていませんが「冬ソナ」はとても魅力のある作品だった一番の要因でしょう。
しかし、この様な韓国の地道な活動こそが現在の
「韓流ブーム」の基礎を作ったと言っても過言ではないのです!
もはや説明不要の「冬のソナタ」
国を挙げた国家プロジェクト
さて、話は少し戻りますが、韓国では韓流ブーム以前から官民挙げての
自国のサブカルチャー文化支援の
国家プロジェクトが進められてきました。
まず最初に力をいれたのは自国の映画でした。
その結果として、最初に成功した作品があります。
それは1999年、世界的に大ヒットした『シュリ』です。
これは、ハリウッドをモデルとした韓国が国の威信をかけて作った超大作でした。
この政策は見事に成功を収め2000年の『JSA』も大ヒットを記録します。
現在では韓国映画は世界的にも一目置かれる存在になりました。
ジャパンアニメーションを支える韓国
韓国では、自国のマンガやアニメーションの育成にも力をいれいます。
美術大学ではアニメやマンガを教える講座も次々と開講しました。
現に日本では、製作費のコストカットのため
80年代後半から韓国などの第3国に外部委託するのは当たり前になった様です。
そう言えば前に、日本の某・人気アニメのスタッフロール
をみると、ほとんど韓国名のスタッフだったのには驚きました。
アカデミー賞をとった「千と千尋の神隠し」を製作した際も
一部韓国に外部委託していたことは有名な話です。
宮崎駿監督が、日本のアニメ製作環境が悪くなっていると懸念しておられましたが
世界のジャパンアニメーションは韓国を始めとする
第3国の国々が下支えをしていくことは紛れも無い事実なのです。
「千と千尋の神隠し」一部のシーンには韓国が関わっていた。
目指せ!21世紀の娯楽大国
以上、見てきた通り韓国は確実に力を付けています。
映画関しては言えば、予算の関係もあるでしょうが
日本の映画をクオリティーは確実に超えています。
今後は日本のお家芸である、アニメ・マンガの分野にも進出してくるでしょう。
たしかに、様々なパクりの議論や、荒い点は否めませんが
勉強とは真似から始まるとも言います。
韓国のサブカルチャーは、ここ10年で急速に成長した新しい文化なのです。
そして、地道に映画やアニメ、マンガに関わる人口を増やしています。
日本のアニメ・マンガ文化の中で育った
次の韓国の世代こそがオリジナリティを確立し
真の韓国文化の力になるのではないでしょうか?
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