特別編 電子書籍 VS マンガ









もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの「マネジメント」を読んだら

著・岩崎 夏海












上記のやたらタイトルの長い本は

通称
『もしドラ』と言う小説でありまして



2010年12月14日の時点で
発行部数

累計
202万部と大ヒットを記録!




そのうち
10万部電子版として

ダウンロードされたそうです




今後は
映画化アニメ化マンガ化が決定しており

出版業界の
成功モデルとなりました





2010年の日本は

電子書籍元年

とも、言われておりまして





2010年5月28日

日本においては
電子書籍端末


先駆けとして
アップル社iPad

日本に
上陸を果たします





その後、
ソニーパナソニックなどの

日本企業も12月に入り相次いで

電子書籍端末を投入することになります




激震に走る日本のなかで

果たして
マンガは生き残れるのか?




今回は
電子書籍の登場がマンガに

どの様な
影響を与えるのかを

取り上げてみたいと思います







日本の電子書籍市場



さて、
前置きが長くなりましたが

まず日本の
電子書籍市場について

簡単におさらいをしてみたいと思います





電子書籍全体の市場規模は

インプレスR&Dって会社さんの

調査データによりますと下記の通りです!




日本の電子書籍市場


2004年 45億円
2005年 94億円
2006年 182億円
2007年 355億円
2008年 464億円
2009年 574億円
2010年 600億円?(予測)

※インプレスR&Dのニュースリリースより





2010年にはiPadなどの

電子書籍端末の登場により



電子書籍市場の
拡大がますます

進むのではないかと思われます




その一方で
出版市場

2009年には実に
21年ぶりに



2兆円を割り込むなど

減少傾向が続いているのです(涙







2010年 電子書籍端末の黒船の襲来!
iPadの登場は出版界を変えるのか?









拡大するケータイコミックス



なかでも
躍進が目覚ましいのは

ケータイの電子書籍になります




先程、紹介しました
電子書籍市場

データを
ケータイパソコンに分けてみると

面白い
傾向が見られます






電子書籍市場 うちわけ



ケータイ パソコン
2005年 46億円 48億円
2006年 112億円 70億円
2007年 283億円 72億円
2008年 402億円 62億円
2009年 513億円 55億円

※インプレスR&Dのニュースリリースより





05年まで
ケータイパソコン

市場規模はほぼ
同じでしたが

2006年にケータイが
逆転





さらに
アイフォーンが登場した2007年は

ケータイの電子書籍は一気に

283億円まで成長をします




一方で
パソコンのの電子書籍市場

2007年以降は逆に
減少してしまいます





電子書籍は携帯などの

小型の端末にニーズが強いことが

よくわかるデータだと思います





ちなみにケータイで読まれる

電子書籍のほとんどが

ケータイコミックス

で占められているそうで




これは本家、
アメリカ電子書籍市場をも

大きく
上回る数字です





まさに日本は
ケータイコミック大国

なりつつあることがわかりますね〜








BLとTLのコミックの台頭



電子書籍市場を引っ張る

ケータイコミックの人気作品は

少年マンガかと思いきや





美男子同士の
同性愛を描いた

ボーイズラブ(BL)





エッチ♪な表現の多い少女マンガ

ティーンズラブ(TL)





など、ちょっと
書店さんで直接買うには

はずかピー!

アダルティ
なマンガが人気とのことです






ともに読者の中心は
女性だそうで

昔は書店さんでは目立たなかった

BLのコーナーが大きく扱われているなど




リアルなマンガ本の
売上にも

大きく影響を及ぼしております






インターネットレンタルビデオ

そして
コミケ浮世絵なども昔から

アダルトから
発展したって言われてますし




この辺りの人間の
嗜好(しこう)は

今も昔も変わらないんですね♪







『RISKY  CRIME』 すがはら竜
ケータイコミック市場を引っ張るBLコミック









マンガ雑誌の苦境



一方の
マンガ雑誌でありますが

相変わらず
苦境が続いております




『蒼天の拳』『エンジェルハート』

お馴染の
コミックバンチ



2010年8月27日にて

休刊することが決まりました。






もともと少年ジャンプ
黄金期

マンガ家さんを多数起用し




2002年の
リバイバルブームの際に

創刊したマンガ雑誌になります





コミックバンチの創刊にあたって

以前も取り上げましたが





当初は
韓国マンガの起用や

新人の
発掘に力を入れるなど

新しい
挑戦をしていました






しかし、やはり
過去の作品に頼る

構造は大きく変わらず





最盛期には
70万部あった部数も

最近では14万部

まで下がってしまったそうです






バンチを発行していた新潮社からは

後継雑誌として
月刊@バンチ






バンチの創刊者で編集長でもあった

堀江信彦さんは徳間書店と組んで

月刊コミックゼノン




それぞれ
創刊予定らしいです





堀江さんは雑誌のインタビューで

ゼノン@バンチに分かれた理由は



元々決まっていたこと

と、語っていましたが






雑誌の
編集方針違い

バンチ廃刊の理由の一つに

あったのかもしれませんね







コミックバンチ 最終号
@バンチとコミックゼノンへ分かれる









長期化の進むマンガ連載



他の
マンガ雑誌の状況も

厳しい流れが続いています





マンガ雑誌の連載作品の傾向として

連載期間が
10年20年など

長期連載が珍しくなくなっています





とある、
マンガ家さんがテレビ番組で

ベテラン・マンガ家さんが長期連載が多く

連載が持ちづらい
嘆いていました






長期連載が多くなっている背景には

連載の長い作品を
切ってしまうと




今までの
読者が離れしまい

雑誌存続の
リスクまで発生するため

連載を
継続してしまうのです






とあるベテランの
マンガ家さんが

仕事がないもんだから
無理して



話を引き延ばしてるんだよねぇ(w


なーんて、
おっしゃっていました

まぁ、
冗談なのかもしれませんがね






ともあれ、長期連載の
弊害としまして

マンガ作品の
新陳代謝が進まず




徐々に部数の
低迷が続いてしまうと言う

のスパイラルに陥っているわけですね








マンガ家さんの苦境



前回にも紹介しました

『海猿』『ブラックジャックによろしく』


お馴染の
佐藤秀峰さんのお話を

紹介させて頂きたいと思います






当時、連載していた
モーニングの編集部

とのやり取りに
不信感を抱き




連載中の
ブラよろをそのまま

ライバル誌の
スピリッツに移籍する

との
事件がありました






しかし、
スピリッツの編集者とも

やりとりに
トラブルが起こり、単行本の

表紙絵の作成を
ボイコットするなど





相変わらず
佐藤さんは移籍先でも

心あたたまる

お話が続いておられます






プンプンしてるイメージの強い

佐藤さんでありますが




自身のマンガ
原作のドラマや映画が

大ヒットを記録したとしても

ロイヤリティがほとんど入ってこないなど




マンガ家さんの
苦しい台所事情が

佐藤
さんをパンクな方向に

向かわせているのかもしれません






『新ブラックジャックによろしく』 9巻 佐藤秀峰
諸事情により単行本の表紙絵は描かれなかった









マンガのオンライン配信へ



佐藤秀峰
さんは

2009年9月頃から




自らが中心となり、マンガ作品の

オンラインコミック
配信サイト


漫画 on Web

を立ち上げ






自身のヒット作

『ブラックジャックによろしく』など

有料配信を行っております





2010年10月の時点で月額の
売上

100万円に届く見込みになったそうで





佐藤さんの作品は50万円ほど

売上を上げたそうです。






他の
マンガ家さんの売上も

数千円ぐらいが平均とのことで


まだまだ儲けの
小さい

ビジネスだと言わざろう得ません








また
『ラブひな』でお馴染の

赤松健さんも





自身の会社が
運営する

オンラインコミック配信サイト


Jコミ

を2010年11月に立ち上げ





人気の高かった
『ラブひな』

絶版にして、インターネットで

無料で配信を開始します






こちらは
赤松健さんの最新作や

過去に
絶版されたマンガなど

配信を行う予定だそうです






中に
広告を差し込むことで

コピーで回れば回るほど



広告効果上がるという

逆転の発想





2011年初頭からの
正式サービス開始を

目指し
テスト版を稼働しています






広告モデルと言えば

コミックガンボ失敗例など

なかなか難しい面もありますが





マンガ家さん自身のビジネスへの

試みはこれからも
加速するのでは

ないかと思われます





Jコミ 公式サイト

http://www.j-comi.jp/







電子版『ラブひな』1巻 赤松健
公開初日で45万ダウンロードと好調な出だしだそうな









拡大するアップル帝国



さて、
iPhoneiPadでお馴染の

電子書籍
を世界でリードをする



アップル社の動きを

あっさり
気味に振り返って

みたいと思います!





アップルの2010年7〜9月の決算は

203億4300万ドル
(約1兆6200億円)






利益はなんと

43億800万ドル
(約3400億円)


を、たたき出すなど





一時は経営
不振だったとは思えない

怪物企業に成長をしています!







そんな
アップルも90年代までは

iMacなどのパソコン

製造する
メーカーでありました





96年に
経緯不振に陥ると

当時、創業時の
メンバー



大人の事情

会社から追い出されていた





スティーブ・ジョブズさんが

復帰し、経営を
再建を目指します








アップルの再建



2000年に
スティーブさんが

CEO(シーイーオー)

※会社でいちばん偉い人のことです


就任するやいなや





それまでの
パソコンなどの

組み立て
工場を全て台湾などの

海外企業へ売却





商品の
開発コンセプト

発想企画力にシフトします






翌年の2001年には

デジタル音楽プレイヤー

初代
iPodを発表し

世界中で
大ヒットを記録!





2003年には

iTunes Storeにて

音楽、映像配信のサービスを開始!





2007年には
スマートフォンである

iPhoneを発表!





そして2010年には
iPadを発売し

これまた世界的に
大ヒットするなど





アップル旧来の価値観を変え

世界へ名だたるマンモス企業へ

進化を果たしたのです!







イノベーション(革新)をキーワードに
次々とヒット商品を生み出すアップル社









もうからないコンテンツ事業



絶好調アップルの一方で

iPhoneiPodには




電子書籍ゲームなどの

アプリケーションを動かすために

基本OSソフト
IOSがあります!






この
携帯末端向けの

基本OSソフトは今のところ

アップルの一人勝ちの

状態が続いておりまして





iPhone向けのアプリを開発をしても

なかなか
審査が通らねーうえ

販売は
アップル独占されています





しかも
コンテンツの売上の3割

アップルライセンス料として

持って行っていかれるため




コンテンツ業者はあまり儲からず

不満が高まっているそうです






とある
コンテンツ業者

アップルの
ライセンス料

ちょーたけぇっと

愚痴をこぼしておられました(涙








台頭するGoogle陣営



先行する
アップルに対して

Youtube検索エンジンでお馴染の

Google携帯末端向けの


基本OSソフト

Android OS
(アンドロイド オーエス)



を引っ提げて
携帯市場に参戦!





我らが日本では
ソニー

アンドロイドOSを利用して



ドコモ初の
スマートフォン

エクスぺリア

を発売しています






なお
アプリの審査が厳密

ライセンス料の高い
アップルに対抗し





Googleの
アンドロイドでは

アプリの検査も
ゆる〜く

しかも、ライセンス料が
無料!?




ちょー
大盤振る舞いなのです

わーい♪

※でも、結局はお金がかかるとの話もあり








現在の
Googleアップル

の全世界の
携帯アプリの数は



Google 約10万

アップル
 約30万




といわれておりまして

アップルの強さが際立っていますが





アップルへのコンテンツ業者

不満による離脱への

動きが出始めるなど





今後のスマートフォンや

iPadなどの電子携帯端市場の



基本OSソフトのシェア争いは

Googleアップル2強の戦いに

なるのではないかと思われます






「IT業界の巨人」 Google社
携帯末端市場の覇権をめぐり動き出す









立ちあがる日の丸連合



デジタル時代
の波に乗り遅れ

かつての
輝きを失ってしまった

日本企業でありますが




日本の市場は渡さん!


っと、言わんばかりに
業界を超えて

提携をする動きが見られます!






2010年5月には


ソニー朝日新聞KDDI凸版印刷


の大手
4社がそれぞれ出資し




電子書籍配信事業のための

企画会社設立の
発表がありました!





それぞれの
ノウハウを生かして

電子コミックなど日本の市場あった


デジタルコンテンツ

提供を目指すとのことです






ただ
大手同士の提携では

利害調整が難しく、利便性の高いサービスが

提供できるのか
疑問を感じます





ともあれ、
電子書籍端末市場では

2010年9月には
シャープ

アンドロイドOSを採用した



ガラパゴスブランド

を発表するなど





それまでの
の時代から

デジタルの時代への変化が

日本に押し寄せているのです






シャープの電子書籍端末「ガラパゴス」
2010年は日本の電子書籍元年となった










課題の多いマンガ業界



電子書籍
への大きな流れを

見て行きましたが、
マンガ業界

話を戻したいと思います♪






マンガ出版社もそれまでの

収益構造の特徴は



アニメ化ドラマ化などで

一般に
宣伝を行い




マンガの
単行本を売って

大きな
収益を上げている点でした






現在では
『ONE PICEC』『ドラえもん』

など
超ヒットの作品が

大手出版社の利益を支えています






しかし、これだけ
出版不況となると

マンガの
単行本だけに頼った

収益構造は非常に厳しく





マンガ出版社
に売上を頼っている

多くの
マンガ家さんにも

同様の事が言えると思います






でマンガが読まれることは

なくなることはありませんが

電子書籍への
分散は進みます






マンガ出版社マンガ家さんも

それまでのマンガの
単行本

売上に
頼るのではなく




マンガ電子コミック著作権料など

幅広くバランスの良い
収益構造

変化せざろう得ないでしょう






『ONEPEIECE 57巻』尾田 栄一郎
初版300万部発行と日本記録更新も集英社は赤字








変わる人々のライフスタイル



電車に乗りますと

かつては
マンガ雑誌を読んでいる

人が多かった気がしますが




今では
ケータイ新書など

コンパクトなツールに

変化している事に気付かされます






今後は
アイフォーンの様な

小型インターネット端末

伸びて行くのだなと感じますね





つまり
書籍マンガ動画ゲームなど

様々なコンテンツが
小型電子端末

平準化され集約が進むわけで




結果、マンガは
モバゲーなど

これまでに
競合すらしなかった

異業種との戦いになるのでしょう





人々の
生活が変われば

マンガの読まれ方も同時に

変わっていくわけですね〜







以上!




駆け足で
紹介をしていきましたが

電子化への世界的な流れは

もはや誰も止めることはできず





日本の
出版映画音楽新聞など

様々な業界を巻き込み
淘汰(とうた)と

大再編が起きつつあります







マンガ文化の発展


を振り返ってみれば



かつては

紙芝居、駄菓子屋の赤本マンガ

貸し本屋
週刊誌電子コミックス





人々の
時代に合わせてマンガは

進化を続けてきました





の時代に大きく繁栄をした

マンガ文化電子書籍に転換する

ことは
イバラの道でしょう






しかし常に新しい事へ

挑戦を続ける姿勢こそが



次の時代の扉


を開くのではないでしょうか?






最後アップル社のCEO

スティーブ・ジョブズさんの言葉を紹介して

終わりたいと思います♪








もし何かをやってとてもうまくいったら、

何か別の素晴らしい事をやるべきであって、

過去の成功にあまり長いことあぐらをかくべきではない。


by スティーブ・ジョブズさん









スティーブ・ジョブズさん
革新と独創的なアイディアでアップル社を再建





〜おわり〜







2011年1月3日制作


今回は下記のHP・文献を参考に書かせて頂きました。

ありがとうございました!


フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

http://ja.wikipedia.org/wiki


インプレス R&Dのニュースリリース

[電子書籍ビジネスに関する調査報告書を3冊同時発売]
2009年度の電子書籍市場規模は前年比23.7%増の
約580億円 〜2014年度には2009年度比約2.3倍の1300億円と予測〜

2010年7月7日

http://www.impressrd.jp/news/100707/ebook2010



コミックナタリー

「ONE PIECE」57巻、初版は300万部。画集も同時発売

2010年3月3日

http://natalie.mu/comic/news/28498


産経ニュース

「コミックバンチ」休刊へ

2010年6月19日

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/game
/100619/gam1006190200000-n1.htm


読売新聞

シャープ、電子書籍「ガラパゴス」発表

2010年9月28日

http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20100928-OYT8T00395.htm


日刊サイゾー

「マンガを正当なビジネスにしたい」
マンガ家・佐藤秀峰 爆弾発言の裏にある思い(前編)

2010年6月

http://www.cyzo.com/2010/06/post_4787.html


元「週刊少年ジャンプ」カリスマ編集長の秘策と
マンガ業界への愛のムチ サイゾー

11月24日

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101124-00000301-cyzoz-ent


GIGAZIN

ついに本日から赤松健の
「ラブひな」コミックス全巻の無料公開が開始

2010年11月26日

http://gigazine.net/news/20101126_j_comi_love_hina/


ガジェット通信

漫画『ブラよろ』作者の10円漫画ネット販売「1月売上50万円」

http://getnews.jp/archives/47554


ITmedia News

その名も「ガラパゴス」 シャープの電子書籍端末、12月に発売

2010年09月27日

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1009/27/news041.html


ジャンプ作品など無料公開へ 赤松健「Jコミ」、集英社や講談社も協力

2010年12月6日

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1012/06/news069.html


もしドラ公式サイト

『もしドラ』20万部の増刷が決定!
電子版と合わせて累計202万部を突破しました!

2010年12月14日

http://moshidora.jp/


毎日新聞

<もしドラ>202万部に 年間ベストセラー1位
毎日新聞 12月14日(火)17時23分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101214-00000048-mai-soci


週刊東洋経済

アマゾンの正体
知られざる出版革命

2009年8月29日号


週刊ダイヤモンド

電子書籍入門
読み方・買い方はこう変わる

2010年10月16日号


日経ビジネス

アップルの真実
ジョブズの天下はいつまで続くか?

2011年11月22日号






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